頼子のためにだけは本買取やめようかな

CDに続き本もネット本買取ショップに売ることにしました。

http://本高価買取.com/

本を梱包していると、著者法月綸太郎氏の「頼子のために」というミステリー小説で手が止まりました。

この小説を初めて読んだときには衝撃を受けたものです。それというのも私は元々ミステリー小説が好きでそれまでにいろいろ読んでいたのですが、法月綸太郎氏の作品を初めて読んだのが「頼子のために」だったのです。読後はなんて救いようのない話なんだとしばらく本の内容に引きずられ、私自身まで落ち込んでしまったほどでした。

ただだからといって決してそれが嫌だというのではなく、救いようのなさというか後味の悪さが妙に癖になってしまい、それ以降他の法月氏の作品を読み漁るに至りました。

そんな印象に残った「頼子のために」ですが、これは娘を殺された父の日記を主人公である探偵が手に入れたところから始まります。もちろん日記なので誰かに見せるためのものではなく、覚え書きのようなものです。なのにどうも違和感があるこれは日記というより、誰かに見せるために書かれていたものだとその日記の矛盾点をつき、娘の死やそれにまつわる謎を解き明かしていくというものです。

私自身もこの探偵と同じように日記を読んだ筈なのですが、不自然な点などまったく見当たらずごくごく普通の日記にしか思えなかったので、最後の最後まですっかり作者に騙されてしまいました。

またこの作品は娘に対する父の愛のようなものが根底のテーマにあるのですが、この愛というのがなかなかの曲者でただただ深い愛情というものでもないのです。

これは探偵側にも言えることであり、この探偵の父は警視庁の警部ですので、探偵側の父と子の愛情も対比して描かれています。

そしてこの法月氏の作品はトリックありきで人間が描かれていないと世間で言われることがあります。この作品でも探偵親子は実の親子であるにも関わらず、お互い敬語で会話をしています。こうしたところが人間が描かれていないと言われる所以だと思いますが、私は逆にそこに面白さを感じます。作者が作中の人物をどこか突き放したような形に思えるのですが、だからこそ先ほども言ったような父と子の親子の愛情の複雑さを感じることが出来るのです。

とにかくいろんな意味で私が衝撃と感銘を受けた作品でした。

頼子のためには買取やめようかな(笑)

サザンのCDを聞きながらこの本を読みます。