ふとしたことがきっかけで、持っているCDをネットCD買取ショップに売ることにしました。
買取ってもらうCDを梱包していたら、大好きなサザンのアルバムCDを発見しました。
このアルバムCDはサザンオールスターズが2015年に発表した『葡萄』です。
前作『キラーストリート』から10年を経て発売されたこのアルバムは、全16曲の中にそれぞれのメッセージ性やカラーが色濃くあらわれていますが、どの曲にも、聴いている人を励ますような雰囲気が漂っています。
「アロエ」はまさに人生への応援歌、といった曲です。ポジティブに人生に向き合って、辛いこともあるけど元気を出していこうぜ、というメッセージが込められています。
「青春番外地」はバンカラにあこがれていたんだけども、そうもいかなかった若いころを振り返って苦笑いしているような、そんな情景が思い浮かびます。「泡姫」なんてちょっとエッチな響きが桑田さんらしいですね。
「はっぴいえんど」は桑田さんが原さんに向けて書いた感謝の手紙、のような幸せさを感じさせてくれる曲です。一度病気をなされた桑田さんが原さんやメンバーの皆さんに込めたメッセージが伝わってきます。
「Missing Persons」は拉致をテーマに込めたハードロックで、忘れてはならないことと痛感させられます。続く「ピースとハイライト」も「絵空事かな?」などという歌詞はありますが、こんな現代だからこそ、互いのいいところを認め合って共生したいものです。
「イヤな事だらけの世の中で」は題名通り世の儚さを歌う一方、励ましも感じられます。
「天井桟敷の怪人」は毛ガニさんと弘さんがいい味を出してくれています。経験したことがないはずの懐かしさ、も醸し出してくれます。
「彼氏になりたくて」はサザンらしい曲といえ、繊細な旋律に切ない歌詞が乗ってきます。
シングルにもなった「東京VICTORY」は、サザンファンの間での大人気曲「ロックンロール・スーパーマン」を弘さんがイメージしたこともあり、思い切り盛り上がれる一方、自然の猛威で大きく被害を受けた土地のことも思い出させてくれます。
「ワイングラスに消えた恋」は原さんボーカルで、歌謡曲のカラーが色濃く出ており、きらびやかなセットがなぜかイメージされます。
「栄光の男」はまさに人生に対する応援歌です。時間の流れと共に深みを増していくメッセージを感じられます。
「平和の鐘が鳴る」「蛍」は聴いているうちに今の平穏の有難さを感じさせてくれます。
「天国・オン・ザ・ビーチ」はサザン史上もっともストレートな下ネタソングかもしれません。関口さんが思わず苦笑いしたという逸話もあります。
「バラ色の人生」は現代社会に生きる自分達を少し自嘲しつつ聴くような感覚があります。
「道」、歌詞の中に出てくる「歌うたい」こそ、桑田さん自身なのかも、と感じさせられます。
1曲1曲が強烈な個性を持ちつつもまとめられている、珠玉の1枚です。
このアルバムCDだけは買取やめようかな(笑)